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レクチャー形式セミナー「タンパク質工学による創薬と難治癌の免疫療法の開発」開催報告

2024.11.07

国立がん研究センター 先端医療開発センター 石原純先生の企画で「タンパク質工学による創薬と難治癌の免疫療法の開発」3回シリーズを開催しました。石原先生はロンドンのインペリアルカレッジでもPIをされており、グローバルな繋がりから海外を拠点に活動している研究者に講義していただきました。
今回のシリーズも多くの方にご参加いただきありがとうございました。

第1回 腫瘍の細胞外マトリクスを狙って免疫療法を薬物送達する

2024/8/23(金) 17:00-18:00
石原 純 国立がん研究センター 先端医療開発センター 共通研究開発分野
Dr. Jun Ishihara
Lecturer, Department of Bioengineering Imperial College London

オンライン参加:75名  録画視聴:98名

33名の方から感想をいただきました。ありがとうございました!
・薬剤を改変してがんに特異的にすることで、副作用の低減と薬効の上昇がみられていることが大変興味深かったです。
・CBDのコンセプトは固形癌において患者層別化が不要になるという点において臨床試験実行性が高まるので画期的だと思った。
・がんECMにおいてコラーゲン標的の意義が大きいことが再認識できました。
・とても学ぶことが多かったです。CBDを結合させることでがん組織への選択性がこれほど上昇することに驚きを感じました。もっと学んでいきたいです。
・コラーゲンは癌だけでなく生体構成タンパクとして他の組織にも多く存在すると思うのですが、ECM指向性抗体が癌に特異的に集積するメカニズムが知りたかったです。
・膨大なデータを非常に分かりやすく説明いただき,IO発展の可能性を感じることができました。
・既存の治療法の副作用をより減らし、薬効をより強くするためのアイデアを実現していることが印象に残りました。
・抗がん剤の創薬におけるprotein engineeringの有用性の実例を聞けて勉強になった。
・免疫を介した制癌剤開発の新しい視点を見せていただき大変勉強になった

 

第2回 悪性脳腫瘍の細胞外マトリックスを利用した免疫療法

2024/9/17(火) 17:00-18:00
大須賀 覚
Satoru Osuka, M.D., Ph.D.
Assistant Professor, Department of Neurosurgery, The University of Alabama at Birmingham

オンライン参加:72名  録画視聴:135名

36名の方から感想をいただきました。ありがとうございました!
・CBDについて非常に未来を感じました。線維化の強い他の腫瘍(膵癌や胃癌)にも転用してみたいと感じました。特に膵癌などは免疫療法の開発が遅れている領域ですので、非常に期待できるのではないかと感じました。誠にありがとうございました。
・放射線抵抗性獲得が化学療法への抵抗性も付与するのはとても興味深く思いました。
・スライドがとても分かりやすく、学生でも大変理解しやすかったです。治療効果がひくい印象のあったGBMに対しても効果的な治療戦略があると大変学びになりました。本当にありがとうございました。
・改めて,グリオブラストーマの予後が全がんの中でも極めて不良であることを実感し,予後改善の取り組み(治療薬開発)が重要であることを理解した。
・全く門外漢なのでご講演内容が全てが大変興味深く、驚きでした。
・内在性のタンパク質の機能を上手に利用されていることに感心しました。
・ヘテロ性の高い疾患は,共通のドライバー遺伝子が見出しにくいので,(分子標的でなく)微小環境に着目する治療戦略は妥当性が高いと思いました。
・ターゲティングの理論がvivo試験で裏付けられており、種々の抗体医薬に適応の可能性もあり、臨床効果も期待します。

現地時間は真夜中でした。大須賀先生、遅い時間にも関わらず研究に対する熱い思いが伝わるお話をありがとうございました!

 

第3回 タンパク質工学による、細胞内のがん促進因子の標的化

2024/10/29(火) 16:00-17:00(交流会:17:00-18:00)
小出昌平
Shohei Koide, PhD
Professor, Department of Biochemistry and Molecular Pharmacology at NYU Grossman School of Medicine, and Perlmutter Cancer Center at NYU Langone Health

ライブ参加:88名(オンライン73名、会場15名)  録画視聴:159名

23名の方から感想をいただきました。ありがとうございました!
・がん細胞のMHCに着目して、細胞内に抗体を入れなくてもがん細胞の中のターゲットを認識させるアイデアに感銘を受けました。
・全く新しいアプローチでMHCにがん特異的抗原を提示させる方法でとても面白かったです。
・ターゲットにアクセスするやり方にあのようなバラエティのあることを思いつくところが興味深かったです
・共有結合した分子標的薬を含めて抗原とするというアイデアに感心し刺激を受けました。全体を通してとてもおもしろかったです。有難うございました。
・HapImmuneのようなツールを発展させるのは製薬会社のほうが得意かもしれないが、ツール自体を見つけることはまだまだやれることがたくさんある、というのが印象に残りました。論文のレベルも上がってきている中、第一線で活躍される先生から見てもまだまだタンパク質工学がやれることはたくさんあるというお言葉は、私たち若い世代にとって背中を押されるエールになると思いました。
・先端的ご研究内容で素晴らしい。日米研究環境、知財発出等について、取組みやすさ、Funding環境等についてのコメントもお聞きしたかった。
・最新のお話をお伺いすることができて楽しかったです。そして最後のメッセージで、「旅をしてほしい」がとても響きました。日々の生活の中では、自分の周りにばかり気を取られがちですが、もっとたくさんの研究者が交流でき、未解明な病気のメカニズムが解明されるような環境を作っていきたいと思っております。
・最後の若者へのメッセージは印象的でした。研究が人の営みであることを再認識させられます。

石原先生と小出先生の帰国に合わせて柏キャンパス会場で開催しました。QAセッションでは質問がとまらない充実したディスカッションとなりました。セミナー後は交流会が行われ会場では参加者と小出先生と石原先生と濃厚な時間を過ごしました。

小出先生、柏キャンパスまでお越しいただきありがとうございました。ニューヨークの空気を感じた秋の一日でした。
石原先生、3回シリーズおつかれさまでした!